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第釟ノ怪 黒イ世界ノ中デ

  代前ノ回 事ノ始マリ
 静かなる早朝の一時。冷房で冷えた部屋で、静かな朝を過ごすのが、俺は好きだ。しかし、その静寂は、叫び声と共に終焉を迎える。
「起きろぉぉぉぉおおおお!」
 と、叫び声と共に俺の部屋に乗り込んで来たのは、妹の龍華。相変わらずウザったい。
「まず黙れ。俺の静寂な一時をよくも奪ってくれたな」
「いーじゃん別に。どうせ朝なんて死ぬまで毎日あるんだから!」
「明日死ぬとしたらこれが最後かもしんねーだろうが!」
 まあ、過ぎた事でだーだー言うのも、疲れる。
「んで、朝っぱらから何の用だ」
 ボサボサになった頭を掻きながら聞くと、
「いや、今すぐって訳じゃ無いんだけど・・・・」
 と、龍華は勝手に俺の椅子に座って言った。
「じゃあ何で今起こすんだ!」
「忘れないうちに話そうと思ったんだっての!」
 朝から五月蝿い奴だ。俺もだけど。
「で、今夜肝試しに付き合ってもらえないかなーって・・・・」
「あ? 肝試し? 勝手に行ってこい」
 妹の友達と顔を合わせる兄の気持ちが分かるか? かなり嫌だぞ。ムカつくし。
「ダーメーなーの! 私お化けとか嫌いだし! 一緒に行く男子も頼りないんだもん!」
「五月蝿い! 俺は今日一日寝て過ごすと決めたんだ! 昨日のプールでどんだけ疲れたと思ってんだ!」
 実は昨日、親戚のガキンチョを連れて市民プールで半日以上泳がされたのだ。
「いーじゃん! ちょっとだけだからさー。ね、お願い」
「肝試しって、何処行くんだよ」
「あの、昔火事があって封鎖されたまま廃墟になった病院」
「・・・・ああ、三白総合病院か」
 三白総合病院は、かなり大きな病院で、外科、内科、耳鼻科、皮膚科、精神科、脳外科等々、様々な分野においてかなりの技術を有していた病院なのだが、手術の失敗を逆恨みする者に放火され、当時入院中だった患者の四分の三、従業員の三分の二が死亡するという事件のあった病院でもある。
 それ以降、病院は封鎖され、取り壊されるでもなく、建て直すでもなく、何故か延々と残っている病院だ。長年風雨に晒され、外壁に罅が入り、窓ガラスは割れている。
 人の叫び声や、白い服の女、心霊写真等の、怪現象的なモノの噂も多い。
 病院の中には、死んだまま未だ見つかっていない患者や従業員の死体があるとも噂されている。しかも、病院の中には、運よく燃えなかった患者のカルテ等も残っていると言われている。
「止めとけ。お遊びで行く所じゃないだろ」
「遊びじゃない! 友達を探しに行くの!」
「友達?」
 と、龍華は真剣な顔で語りだした。
 先月、七月の初めの事だという。クラスメイトの美由紀ちゃんが「三白病院に行ってくる」と言ったきり、行方不明らしい。何でも、警察ですらあの病院はまだ調べていないらしい。
「お願い! 協力して下さい!」
 手を顔の前で合わせ、必死に俺に協力を要請する龍華。
「・・・・」
 少し考えて、
「分かった」
「本当!?」
「ああ。だが何時からだ?」
「えっと、夕方」
「午前中は駄目なのか?」
「都合が合わなくて。午後からなら皆来れるって」
「皆って、何人だ?」
「えっと、うちのクラスメイトのうち美由紀以外だから、えー」
 たった1引くだけの計算に30秒程費やして、
「私入れて30人ぴったり」
「多っ!!」
 多すぎだろ。ってか一人捜すのにクラスメイト全員ってどんだけ団結力強いんだよ。
「ほんじゃ、準備するか」
「準備?」
「ああ、夏だしな」
「?」
 首を傾げる龍華。
 さて、この季節虫除けは必需品だ。水筒。懐中電灯。携帯食(カロリーメイトな)。これ位で十分だろう。
「ん、最低でも水筒と虫除けは持ってこいって皆に伝えとけ」
「りょうかーい」
 本当は変な所に関わるのは、昔実体験があるだけに止すべきなんだろうけど、行方不明者が出てるとなるとな。
 龍華は知らないんだよな、俺の上に更に三つ上の姉貴がいる事・・・・。

  代前ノ回 事ノ始マリ 終
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Date: 2011.05.08 Category: 百物語  Comments (1) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

ミリ思考

Date2011.05.10 (火) 23:05:27

話は面白いけど、もうちょっとスペースとか空けてくれると読みやすいです。((・ω・l壁

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