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代漆ノ怪 MIKOTO

第漆ノ怪 MIKOTO

  代前ノ回
 科学が進歩すると共に、人口は増加の一途を辿っていた。
 科学技術が進歩すれば医療技術も進歩する。そうすれば、それまで直す事が出来なかった病気も治せるようになり、寿命を延ばす事が出来る。
 現在のペースで人口が増え続けると、今後二〇年以内に、地球上で生活できる人間の許容量を大幅に超える事になる。
 現在、月で人が生活出来るよう、多くの科学者や技術者が試行錯誤しているが、月で人間が生活できるように成るまで最低、あと三五年は必要になる。しかも最低だ。それ以上になる事は十分考えられる。
 地下に大規模な生活エリアを造る計画もあったが、資源不足の影響でそれも叶わなくなった。
 このままでは不味いと考えた世界各国の政府は、中国がとった一人っ子政策を世界規模で実施した。そして、その後、人工削減計画が実行された。計画の内容は、各地の居住エリアから一〇〇人ずつ政府へ差し出すこと。
 政府そうして集まった人間は、国際科学研究所で生体実験に使われたり、食料となる。
 生体実験の一つに、生身の人間に科学的な技術を施し兵器にするというものがる。
 これからの話は、ある少女を殺戮兵器にするという実験から始まった史上最悪の話だ。

  代中ノ回
 数十年前。というか一〇〇年近く前、アンデッドと呼ばれる不死身の人種があった。かれらは老いる事はあるが死ぬ事はない。しかも、老いるのも通常の人間の四分の一の速さで。
 まぁ、兎も角不死身の人々がいたのだ。そんな死なない彼が居なくなったのは、通常の人間により冷凍処分されたからだ。その冷凍された不死身の一人に藤井智子という少女がいる。彼女は、多くの猟奇的な殺人を起こし、特別怪事件部隊の隊員もろとも冷凍されたのだ。
 彼女は外部からも内部からも決して壊す事の出来ない、出入り口の無い頑丈な部屋の中で冷凍されている。
 我々の計画に、彼女は必須なのだ。
 我々は頑丈な部屋を壊す為に、五年の月日を費やした。
 そのかいあって、先程藤井智子を部屋から出す事に成功した。まだ冷凍されたままだが、じきに解凍されるだろう。一緒に凍らされていた闇風美琴隊員も、実験体として使う予定だ。
 この時、我々は、あんな事になる事を予想だにしていなかった・・・・。

 藤井についての資料は殆ど抹消されていた。というか、元から少なかった。不死身で、猟奇的な殺人を多数起こした事しか分からなかった。しかし、我々にとっては如何でもいい事。実験さえ出来ればそれでいいのである。
 実験の第一段階として、先ずは藤井智子及び闇風美琴の解凍だ。
 それは、今となってはごく簡単な作業。二人とも無事解凍された。意識はまだ無いが、意識が戻る見込みも十分ある。
 闇風隊員については兎も角、藤井智子は、万が一の事を想定して、身体を固定して、解凍後すぐに実験に移る。
 実験と言うよりも改造に近い。
 藤井智子の左腕は鋭利な刃物で切断されたようで、肩口からバッサリと腕が無くなっていた。
「腕は、人工手腕で十分補える。それでは、術式を開始する」
 無い左腕は人工手腕、最新鋭の義手を付ける。
 どんな無茶をしようと、藤井が死ぬ心配をする必要はない。故に、我々は今までのどの兵器よりも優れた性能を持つ兵器を創り出す事が出来た。
 術式は実に一五時間に及んだ。長い様に思うが、予定よりも三時間程早く終わった。
「今後の経過を見つつ投薬する。万が一の暴走の被害を最小限に抑える為、藤井の身体は拘束具で固定しておけ。以上、術式終了」
 続いては闇風隊員だ。
 彼は普通の人間故、あまり無茶は出来ない。なので、術式も予定よりも大幅に遅れてしまった。しかし、それでも術式は無事終了した。
「いやー、結構苦戦しましたね」
 草野はそんな事を言いながら煙草を吸う。
「おいおい、ここは禁煙だぞ。所長にバレたら大目玉くらうぞ」
 そんな風に笑ってフザけていられるのも、今ぐらいのモノだと知らずに、我々は、呑気な気分でいた。事の状況が悪くなって来たのは闇風隊員が目覚めてからだ。
「貴様! 何故俺達を解凍した! 藤井がどれだけ危険だか分かってるのか!」
 闇風隊員は、血相を変えて私に掴みかかってきた。
「ま、まあ落ち着きなさい、闇風くん」
 なだめると、
「藤井は何処だ」
「は?」
「藤井は何処だって聞いてんだ!」
 今の彼なら、人間一人殺すのは容易い事だろう。このまま黙っていれば、私は殺されかねない。そんな訳にはいかないので、私は藤井の居場所を教えた。
「そうか。聞くが、何かしたか。藤井と俺に」
 彼の眼は、黙秘を許してくれる様な眼ではなかった。
 我々は事の全てを彼に話した。隠す事無く。
「拘束具で固定だと? そんなモノが藤井に効果ある訳ない。アイツは自分の身体を壊してでも殺しを続けるようなヤツだ。今すぐ――――」
 と、緊急警報が鳴った。
『研究施設内にて実験体が暴走中。暴走しているのは藤井智子。研究員は至急――――。う、うわぁぁああ!』
 放送は雑音へと変わった。
「藤井が暴走したか! 逃げるぞ。来い」
 私は、部下数名と闇風美琴を連れて緊急脱出用のヘリがある格納庫へ向かう。
「ヘリを起動させろ。出入り口は塞げ! 早く!」
 部下の一人が急いでヘリに乗り込み、ヘリを起動させる。
「燃料満タン。エンジン出力正常。機体異常なし。行けます!」
「全員乗り込め!」
 部下と闇風美琴をヘリへ乗せ、私は最後に乗り込む。私が乗り込むと同時に、塞がれた出入り口が蹴散らされた。
「飛ばせ!」
「了解!」
 飛び立つヘリに、藤井はあり得ない速さで走って迫って来る。
 想定外の速さだ。どうやら、我々は藤井をなめていたらしい。
 手を伸ばせば届くという所まで藤井が迫ってきた時、銃声が響いた。
 闇風美琴が、サブマシンガンで藤井を撃っていた。そのおかげで、藤井が我々まで到達する事は免れた。
 上空から研究所を見ていると、そこはまるで地獄のような景色だった。
 建ち並ぶ建物は燃え、逃げ惑う人々は片っ端から殺される。
「何て事だ・・・・」
 私は、あまりの事に声を出す事が出来なかった。
「俺に、考えがある」
 闇風美琴は、燃え盛る研究所に視線を向けていたが、何か違うモノを見ているようだった。
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Date: 2011.04.19 Category: 百物語  Comments (4) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

明日も

Date2011.04.19 (火) 21:28:49

おう生き返った(?)か。みことさん。

でも壁ぶっ壊すのに5年もかかるのか。すげえな。

でもやはり主人公は真人間のがいい気がするな。

明日も

Date2011.04.20 (水) 22:55:00

結局何年前なん?

で、続きはまだか~

ネタつきたかー

通りすがりの通行

Date2011.04.21 (木) 05:53:00

解凍したら生き返るんだね美琴さん
だったら昔の先輩たち美琴だけ取り外して解凍してあげればよかったのに
しょうがなかったのかなあ?

Novelテンプレート管理人

Date2011.04.26 (火) 14:45:09

ご利用中のテンプレートの作者です。
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