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第2弾いってみよー

第二ノ怪 踊り場の鏡
 最近建設された学校は如何か知らないが、僕の通う学校の階段の踊り場には、姿見、つまり鏡がある。
 鏡関係の怪談は多い。だから、どれも信憑性がなくなってしまう。どれほど実物が禍々しかったとしてもだ。
 南校舎の1階から2階へ上がる階段にある踊り場の鏡は、新聞紙とガムテープで、隙間が一切無いほどに覆われている。その中央には『見るな。危険』と書かれている。
 誰もが、フザケ心で、新聞紙を剥ごうとするが、この鏡はカメラで監視されており、剥ごうとするとブザーが鳴るのだ。そして、剥ごうとした奴は校長室へ呼び出され、長々しい説教を喰らわされるのだ。
 見るからに怪しい鏡を、剥ごうという計画を、真面目に考える連中を、僕は知ってる。何故かって? 僕もその一員だからだ。
 メンバーは、僕を入れて5人のみ。
 僕A、それにBとC、D、Eの5人だ。
 計画は単純。真夜中に5人集合して、学校に忍び込むというモノだ。
 実行するのは金曜日(正確にいえば土曜日の午前0時以降)。
 まず、Bが学校の合鍵を造る。これは簡単に成功した。卒業式に、Bが「腹が痛い」という理由で体育館から出、誰もいない職員室へ乗り込む。そして、学校の鍵の型を取るというモノだ。Bの家は鍵師一家で、型さえあれば鍵を造るのは容易い事なのだ。
 で、金曜の11時55分。俺はこっそり家を出、集合場所の正門前に向かう。
 到着して5分くらい待つと、皆集合した。
「B、鍵は持ってきたのか?」
 僕が聞くと、
「ああ、勿論だ。忘れる訳ねぇだろうが」
 とBは言った。
「おい、誰か来る前に入るぞ」
 Cはそう言って正門を抜けた。
「じゃ、行こうか」
 僕達も正門を抜けて、職員玄関に向かう。
「B! 早く」
「おう!」
 Bはポケットから鍵を出し、鍵穴に差し込んだ。
 ガチャッという音がして、鍵は開いた。
 一応、それぞれ懐中電灯を持ってきた。学校の電灯を付ければいいと思うだろうが、そういう訳にもいかないのだ。こんな時間に電灯を付けていたら、怪しいと思った住民に通報されかねない。
「あの鏡って南校舎だような」
「ああ。南校舎の理科準備室の近くだ」
「レッツ ゴー」
 なんて、遊び気分でいれれるのは此処までだった。
 噂の鏡に近付くに連れて、段々寒気がして来た。皆、何かを感じているようだった。
「な、なぁ、視線を感じるのは俺だけか?」
 Eが言った。
「おい! 変な事言うなよ。怖くなるだろ! それよりD! カメラ対策は大丈夫何だろうな」
「ん、全然OKだよ」
 Dは、一種の機械ヲタクなのだ。で、ブザーが鳴らない様に対策を頼んだのだ。
「あのカメラは、固定っちゃ固定カメラだけど、時々向きが変わるだろ。んで、事務室に忍び込んであのカメラの資料を読んでみたら、夜の12時から1時15分までは、鏡と逆の方にカメラが向いてるらしい。だから、今の時間帯ならブザーが鳴ったりはしない。それに、万が一途中でこっちを向いても大丈夫なように、これを持ってきた」
 Dが取り出したのは、鉄鎚と五寸釘だった。
「カメラの両脇にこれを刺しとけば、回転してもこれに引っ掛かって動けない筈だ」
 Dは自信に満ち満ちた顔で言った。
 まぁ、Dが言うのなら本当なのだろう。
「お、ここだ」
 懐中電灯を持って先頭を歩いていたCは、例の新聞紙で覆われた鏡を照らしながら言った。
「ほんじゃ」
 Dは脚立に乗り、五寸釘を打った。監視カメラは、Dの言っていた通り、鏡があるのとは逆の方向を向いていた。
「なぁ、五寸釘打ったはいいけど、後でバレるんじゃね?」
 Bが言った。
「へへへ。安心しろ、ちゃんと釘抜きも持ってきた」
「いや、抜いても穴が残るじゃん」
「安心しろって、俺を誰だと思ってるんだ?」
「機械ヲタク!」
 その場にいた、D以外全員が言った。
「ま、まあそうだけどさぁ。・・・・兎にも角にも、穴がバレないように、これを持ってきたんだよ」
 Dが鞄から取り出したのは、天井と同じ色の2㎝×2㎝の正方形のシールだった。
「穴の上からこれを張っちゃえばバレましぇーん!」
「おお、流石D!」
 Bが言った。
「よし、剥がすぞ」
 僕は、そう言って、ガムテープを剝し、新聞紙を剝した。
「?」
 それは、
「ただの鏡じゃん」
 ただの鏡だった。何の変哲もない。
「何だ、つまんねー・・・・!」
 と、突然Cは黙った。
「ん、どうしたC、聞こえるかー」
 BがCの目の前で手を叩いた。するとCは、
「ヤバい。ヤバいってヤバいってヤバいって・・・・ヤバいって」
「どうしたC 気が狂ったか? 鏡は何もね―だろうが」
 俺達は鏡を見た後、Cの見ている方を向いた。
「! 何でこんな時に・・・・」
「本当にヤバいって。どうする? 逃げる? ってか逃げようよ」
 そいつは、黒光りする身体を素早く移動させながら近付いてくる。しかも集団で・・・・。
「に、逃げろ!」
 僕は大声で言った。
「で、でも釘は・・・・」
 Dはビビりながらも、釘を如何すればいいのか迷っていた。
「いいから逃げるんだよ!」
 俺達5人は必死で走った。
 と、奴等は飛び掛かって来た。
「うわ! もう駄目だ!」
 と、諦めかけた時――――。
 プシュー、という音と共に、奴等はバタバタと床に落ちていった。
「へへへ、こんな事もあろうかと、準備してたんだー」
 Dが両手に持っていたのは『ゴキジェット』だった。
「学校ってのはこういうの多そうだからね。それに今夏だしね。夏なんて虫の全盛期じゃん」
 そう、僕達はゴキブリの大群から逃げていたのだ。
「はぁ、はぁ・・・・。死ぬかと思った・・・・」
 Bが言った。
「Dがいて本当に助かった・・・・」
 Cが言った。
「俺も持ってくれば良かった、ゴキジェット・・・・」
 Eが言った。
「ど、どうする? 鏡ン所戻るか?」
 僕が言った。
「はぁ、はぁ・・・・。ああ、釘抜きに行かないと・・・・」
 と、いう事で、僕達は釘を回収しに鏡の場所へ戻った。
「じゃ、解散」
 鍵もしっかり閉めて、今日は解散となった。
 土曜日と日曜日が過ぎ、月曜日の昼休み、僕達は校長室に呼び出された。
「全く! 夜間に学校に侵入するなど言語道断! 決して許される事ではない!」
 何故、バレたかと言うと、あの時、僕達は監視カメラが向いている方向に逃げてしまったのだ。
「何も無かったからいい物の、絶対にあの鏡には近付くなよ! 全く、あんな大人数でドタバタ走り回りやがって」
 多人数? たった5にんなのに?
「あの、5人だけですけど」
「はぁ? ふざけるな! ワシらの知らん連中を大勢連れてきただろうが!」
「いや、本当にこの5人だけですけど・・・・」
「じゃ、じゃぁこの映像に映っておるのは・・・・」
 校長先生は、監視カメラのビデオを再生した。
そこには、逃げ惑う僕達と、それを必死に追う子供達が映っていた。
「・・・・こいつ等はお前たちの連れじゃないのか?」
「はい・・・・。僕達は5人だけでした」
「そうか・・・・」
 この後も、説教は続いた。説教は放課後まで続き、「鏡に悪戯するな」と何度も何度も言われた。
 説教が終わって、僕達五人は例の鏡を見に行った。
 なんの変哲もない鏡は、ただひっそりと世界を映していた。
 家に帰り、母親からもこっ酷く怒られた。校長に何時間も怒られた後だ、言い返す気力もなく、ただただ静かに、母親の説教が終わるのを待った。
 風呂・・・・には入らないで、ただシャワーを浴びるだけにした。
 寝巻きに着替えて、洗面所で歯を磨く。
 ふと、鏡に目をやると・・・・
「!」
 ガッと腕が出てきて、それは僕の頭をガッチリ掴み、そして、鏡の中へ引き摺りこんでいった。
「や、やめろ! 助けて! 母さぁぁああん!」

翌日
「H田先生!」
 校長は、息も絶え絶えに走って来た。
「ああ、校長先生」
「本当か!? 本当に鏡から!?」
「ええ、兎に角見てきて下さい!」
 体育教師のH田と共に、校長は例の鏡へと向かった。
 そこには、ただ茫然と鏡を見る警官が何人も立っていた。
 ただ、彼らが見ている鏡は、もはや普通の鏡では無かった。
「な、何て事だ・・・・」
 鏡から、
「手が・・・・」
 右手が5本、生えていた。
「また、またこんな事になるとは・・・・」
 校長は、その場で崩れた。そして、床を何度も何度も叩いた。


第二ノ怪 終

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Date: 2011.04.05 Category: 百物語  Comments (1) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

明日も

Date2011.04.06 (水) 20:58:06

1よりゃ完成度たけいな。

オメーの第二段テニス部でユウメイだぜ?

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