スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Date: --.--.-- Category: スポンサー広告   

小説

長いけど読んでね
あと、興味ある人は、マウスの右クリックしてみてね

百物語
作 妖幻

第一ノ怪 ループ階段
 学校7不思議を耳にしない人間なんていないだろう。誰だって自分の学校の怪談を1つや2つは聞いたことあるだろう。
 俺の学校にもある。中央第2中学。通称、第2中。ここにもある。
 一番有名なのは『永遠階段』と呼ばれる北校舎3階から屋上へと続く階段の怪談だろう。駄洒落じゃない。
話はこうだ。
『 この屋上へ続く階段はやけに長い。途中に踊り場が幾つかある程だ・・・・。何段も何段も上り続けていたので、流石に疲れた。私は文化部だし、生まれつき身体も弱いので、すぐに体力が無くなって疲れてしまう。途中、踊り場の2段手前に腰掛けて休む事にした。この踊り場を超えて、数段上がれば屋上に着く。さて、もう一踏ん張りだ。私は、腰を上げて再び階段を上り始める。1段、2段、と順々に・・・・。
 上り始めて少しすると、踊り場が見えてきた。その踊り場に上る前に、少し休む事にした。生まれつき身体の弱い私は、すぐ体力が無くなって疲れてしまうのだ。踊り場の手前2段目に腰掛けて、一息つくとしよう。この踊り場に上り、あと数段上れば屋上に着く。さて、もう一踏ん張りだ…………』
 と、『踊り場の手前2段目に腰掛けて ~ もう一踏ん張りだ』が延々と続くのだ。この怪現象を分かりやすく説明すると、「階段を上り始めた地点で怪現象は発生している。上り始めてから屋上までは踊り場が幾つもあり、階段の段数は異常に多い。屋上へは決して辿り付けない。ある程度上ると、階段に腰掛けて休む事になる。腰掛けて休むと、ループに突入する。ループに突入しても上っている本人は気付かない」と言うわけだ。
 俺はこの話を信じていない。何故なら、もしそんな現象が起きているのなら、こんな話が出てくる訳ない。それに、もし本当だとしても、俺は試したりなんかしない。
 だけど、こういうのを試すバカもいる訳だ。
「なぁ、例のループ階段の話知ってる?」
 とBが話しかけてきた。
「ああ、俺知ってる」
 とCも話しに参加してきた。
 その後、適当に怪談を幾つか話した後、休み時間にループ階段まで行ってみる事にした。
「へー、これが噂のループ階段か」
 そこは、居たって普通の階段で、だけど、生徒立ち入り禁止の張り紙があった。
 そして、階段じたいは普通だ、だが、その階段の上には・・・・。
「俺行ってみよー」
 とBが1段上った。続いて、
「俺も」
 とCも1段上った。
「お前は?」
 俺も、一緒に上ろうと思ったが、やはり止めた。
「いや、やめとく。俺、数学のワーク終わらせねぇと先公に怒られる」
 と、俺は適当な理由を付けて辞退した。
 ループ階段にビビった訳じゃない。だが、ビビったといえばビビった。
 踊り場の手前2段目には、座った状態で微動だにしない、第2中の制服を着た女子がいた。いや、あった。あれは、恐らくループに突入した生徒の死体だ。きっと、今も魂はループし続けているに違いない。
 死体は腐っていない。恐らく、ループに突入した時のまま時間が停止してしまったのだろう。
「じゃ、俺ら行ってくるから、先に教室戻ってて」
「ん・・・・。ああ。分かった」
 俺は、黙って教室に戻った。
 授業が始まっても、あいつら二人は帰って来なかった。
「おい! 大丈夫か!?」
 大声と、身体を揺さぶられるので、ハッと気が付いた。
 そこは教室で、時計を見ると、12時35分を示していた。
「12時35分? ・・・・!」
 そんな、さっき2時限目が始まったばかりなのに、どうして!? もう、4時限目の終わり!?
「お前、変だぞ。1時限目のあと、休み時間を終えて教室に戻って来てから、ずっと顔を真っ青にして・・・・。何かあったのか!?」
 どうやら、俺は目を開けたまま気を失っていたらしい。
「いや、何でもないです・・・・」
 と、そう言って窓の外を見た瞬間!
「ぁぁぁぁぁぁああああああ!」
 叫び声と共に、男子生徒二人が、真っ逆さまになって落ちてきた。
 ドシャッ! 嫌な音が響いて、地面には真っ赤な花が二輪咲いた。
「!」
 クラスは・・・・いや、学校は大騒ぎになった。生徒がいきなり空から降ってきたのだ。それも二人。

 その後、例の階段は封鎖された。頑丈な鋼鉄の壁で階段を完全に塞ぎ、さらにコンクリートで塗り固めたのだ。
 そして、階段を完全に封鎖した後、神社の神主さん(?)にお祓いをしてもらっていた。
 二人が死んだ翌日、俺は校長室に呼び出された。
 そこには、10年近く前からこの学校の教師をしている先生や、この辺りの土地に詳しい不動産屋のおじさん、校長先生の3人がいた。
「あの階段に行ったのかね」
 校長先生が重い口を開いた。
「まさか、3人もいるとは・・・・」
 おじさんが言った。
「何が3人いるんですか?」
 俺は行った。
「あの階段が見える人間だよ」
 先生が言った。
「見える? だってあの階段は昔からあるんじゃ・・・・」
 俺が言葉を続けようとした時、重い声で、
「ない」
 と遮られた。遮ったのは先生だった。
「無いんだよ。階段なんて。あそこにあるのは、鍵が無くなって、しかも鍵師ですら開けられない錠のあるドアだ」
「でも、俺は確かに階段を見たんです」
「わかっておる」
校長が言った。
「わかっておる。時折いるのだよ、あそこで、ドアではなく階段を見る人間がな・・・・」
 校長は、口を真一文字に閉じた。
「そして、あの階段を見た生徒は、見るだけでなく上ってしまう。そして、死んでしまうのだよ。とても酷い死に方で・・・・」
「酷い死に方・・・・?」
「最初は・・・・」
 おじさんが、再び口を開いた。
「最初の一人目は、首を斬られて死んでいた。二人目は、腹を抉られ死んでいた。三人目だけは、階段で穏やかに死んでいたな・・・・」
 じゃあ、俺が見たあの女子は、その3人目だったのか・・・・。
「四人目は、上半身下半身と真っ二つにされて死んでいた。五人目は身体を縦に斬られていた。そして、六人目と七人目は・・・・空から落とされて死んだ」
 最後の二人は、おそらくBとCの事だろう。
「俺は? 俺はどうすればいいんですか?」
 階段を見てしまった俺は如何すればいい? 今は、恐怖で普通の階段にすら近づけそうにない。
「安心しなさい。神社の神主殿からこれを頂いて来た。悪霊祓いのお札だ」
 校長先生に手渡されたのは、縦15㎝横5㎝くらいの、文字が彫ってあるお札だった。
「神主殿曰く、肌身離さず持っていなさいとの事だ」
「肌身離さず・・・・ですか」
「ああ。あの階段は、一種の呪いだそうだ。その呪いは死ぬまで解けないらしい。だが、呪いを強制的に発生させないのがそのお札らしい。それを持っている間は、階段の呪いを恐れる必要はない」
 ループ階段の話は、校内では禁止となった。校則で禁止されている訳じゃない。先生から言われた訳でもない。皆、呪われたくないだけだ。


3年後

 高校3年生になり、俺は、すっかり忘れていた。あの階段の呪いを。
 始業式の朝、俺はお札を持たずに学校へ向かった。3年生が使う北校舎に入ったのは初めてだった。
 クラス表を見ると、俺は2組だった。教室は4階にある。
 階段を上る時、少しながら抵抗を感じたが、大丈夫だろうと思い、思い切って上って見た。
 大丈夫だ。俺以外にも上っている奴等が何人かいる。
 メガネを掛けた男子。坊主頭の男子。
「!」
 驚いた。あの、階段に腰掛けて死んでいたあの女子が、階段を上っている。
 そして、踊り場の手前二段目に来ると、そこに腰掛けて休み、また上り始めた。
 後ろから、一昔まえの不良のような格好をした男子と、携帯をいじっている女子が上って来た。
 階段を上って、4階に着くと、見覚えのある顔が教室に入っていった。
「B! C!」
 走って追いかけ、教室のドアをつき飛ばし、教室に入る。
「え・・・・」
キラッと光細長い刃。それは、目にも止まらぬ速さで俺の首を斬った。


 今更だが、実を言うと、俺は部活を休んでいた。交通事故で右足を骨折していたのだ。なので身体もなまっている。階段を25段上ると、右足がとても疲れる。なので、俺は踊り場の手前2段目で座って休む事にした。あと数段上れば、4階に着く。5分も休めば、流石に疲れは、ある程度とれる。階段を上り切り、4階に着いた。其処で、俺は懐かしい、見覚えのある顔を見た。
「B! C!」
 叫んで、教室に入るBとCを追いかけた。そして、俺は教室に飛び込んだ。
「え・・・・」
 キラッと光る、細長い刃は、俺の首をさっぱりと斬った。そして、激痛と共に、呪いを思い出し、お札を持って来なかった事を悔やむ。だけど、気が付くとそんな事は忘れて・・・・。

いくら歩けるように成ったからいえど、交通事故で受けたダメージは強く、今でも階段を25段も上れば、右足は疲れ、痛む。踊り場の手前まで来て、途轍もなく耐えがたい痛みが足を襲って来たので、踊り場の手前2段目で座って休む事にした。あと数段。あとほんの数段上れば4階に着く。
 4、5分も休めば十分だ。そろそろ上らなくては。
 上りきると、懐かしい声が耳に入った。
 振り向くと、そこには・・・・
「B! C!」
 二人は教室に入った。俺はその二人を追うように教室に入る。
「え・・・・」
 思い出した。BとCは死んだのだ。階段の呪いで。
 そして俺も・・・・。
 首が落ちた。首が斬られてから、床に落ちても。暫く思考が続いた。
 永遠階段の本当の話はこうだ。
『1段上ったら、残酷な方法で殺される。殺されると、魂は階段を階段を上る→休む→死ぬを永遠に繰り返す』というのが、この呪いの正体だ。
俺も、永遠に階段を上っては殺され・・・・

いくら歩けるようになったからと言えど・・・・



『始まりました。ニュース日本。本日、先ず始めにお伝えするのは。○○県○○市にあります、公立○○高等学校で、新3年生の変死体が発見されました。
 教室の後ろで死亡していた○山 Aさんは、首を細長い刃物のような物で切り落とされ、死亡していました。』


第一ノ怪 終
スポンサーサイト
Date: 2011.04.03 Category: 百物語  Comments (3) Trackbacks (0)
*
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。